団体ツアー中心だった旅行市場が、今大きな転換期を迎えています。スマートフォンやSNSの普及により、旅行者が自ら旅をデザインする「FIT(Free Independent Traveler)」が急増し、日本力旅行を楽しむ外国人観光客の動向も変化してきているのです。
本記事では、自由で個性的な旅が当たり前になった今、その背景と人気の理由を探ります。
1.FITとは?

「FIT(Free Independent Traveler)」とは、旅行会社が企画する団体旅行とは異なり、自分自身で旅程を組み立て、自由に行動する個人旅行者を指します。
近年、こうしたFITのスタイルは世界的に広がりを見せており、従来主流だったパッケージツアーから個人旅行へと移行する流れが加速しています。
特にアジア圏の若年層を中心に、「自分のペースで旅を楽しみたい」「SNSで見つけた場所を自分の目で確かめたい」といった価値観が浸透しており、「モノ消費」だけでなく、他国・他地域では体験できない新たな発見・感動体験など様々な「コト消費」へのニーズが高まっているため、FITは今や旅行市場の主流になりつつあります。
2. FITが増加している背景
①スマートフォンとSNSの普及により、情報収集・予約・共有が容易に
スマートフォンの普及によって、旅行者はいつでもどこでも目的地の情報を得られるようになりました。
かつては旅行代理店のパンフレットや雑誌、テレビ番組などが主な情報源でしたが、今ではSNS(Instagram、TikTok、小紅書、YouTubeなど)を通じて、リアルな体験情報や口コミを直接見られる時代です。
特にSNSでは、旅行者が投稿する写真や動画から「実際に行った人の視点」で情報を得られるため、広告よりも信頼性が高いと感じる人が多く、第三者の体験が旅行の意思決定に大きく影響するようになりました。
結果として、「ガイドブックに載っている有名スポット」ではなく、「SNSで見つけた隠れた名所」や「話題のカフェ」など、個人の嗜好に基づいた旅が増えています。
②OTA(オンライン旅行代理店)やアプリの発展
OTA(オンライン旅行代理店:例:Booking.com、Expedia、Trip.comなど)やアプリの発展により、航空券・宿泊・交通・アクティビティのすべてを自分でワンストップ予約できるようになりました。
一般社団法人日本旅館協会が行った「令和 4年度 営業状況等統計調査」によると、令和3年度における訪日外国人観光客のうち、45.3%がOTAを経由して旅行プランや宿泊施設の予約を行っていることがわかりました。
令和元年には約30%だったことから、利用率が伸びていることがわかります。
さらに、多言語対応・モバイル決済・即時キャンセル機能などの整備が進み、旅行会社を通さずとも、個人が自由に旅を設計できる環境が整っています。こうした利便性の高さが、特に若い世代や訪日外国人旅行者のFIT化を強く後押ししています。
③コロナ後の旅行スタイルの変化:「密回避」や「自分らしい旅」志向
コロナ禍で海外旅行やイベントが制限されたことにより、人々は「本当に自分がしたい旅は何か」を見つめ直すようになりました。この過程で生まれたのが、“自分らしい旅”=個人の価値観や目的に沿った旅への志向です。
以前のように「有名観光地を巡る」「定番コースを消化する」だけでなく、趣味やライフスタイルに合ったテーマ性のある旅(食・自然・アート・サウナなど)や地元の人との交流や文化体験、「何もしない」「ゆっくり滞在する」癒やし重視の旅など、より内面的な満足を求める旅が増えました。
この傾向は特にZ世代・ミレニアル世代に強く、「誰かの真似ではなく、自分が心から心地よいと感じる旅」が支持されています。
3. FIT旅行者の特徴
①興味・嗜好に基づいた旅程設計
FIT旅行者は自分の関心を軸に旅を組み立てます。観光地巡りよりも、テーマ性や自分らしさを重視する傾向があります。
②「定番+ローカル体験」への関心
有名スポットだけでなく、地域ならではの文化や食、自然体験を求める人が増えています。旅先での“発見”を楽しむのが特徴です。
③SNS・口コミを重視(Instagram、X、小紅書など)
旅行の情報源は広告ではなくリアルな投稿や口コミとなり、SNS上の体験談が旅先選びに大きく影響しています。
④支出傾向:宿泊や食事は「質」を重視、体験コンテンツへの投資意欲も高い
価格よりも満足度を重視し、特に食事・宿泊・体験にお金をかける傾向があります。旅そのものを“価値ある体験”として捉えています。
4.インバウンド市場でのFIT動向
訪日外国人のうちFITの割合が増加(例:東アジア圏では7割以上が個人旅行)
コロナ後、訪日旅行者の大多数が自分で旅程を組むFIT型となり、自由度の高さや情報取得の容易さがFIT拡大を支えています。
日本で人気の地域や体験(例:地方観光・自然・文化体験・グルメ)
東京・京都などの定番に加え、地方の自然・温泉・伝統文化体験が注目されています。地元の食や職人文化など、“日本らしさ”を体験できる旅が人気です。
団体向けからFIT向けへのマーケティング転換が進む自治体・企業の事例
多くの自治体や企業が、団体ツアー依存からSNSや口コミを活用した個人旅行者向け施策へ転換しています。英語・中国語対応や体験型コンテンツ開発などが進んでいます。
5.まとめ
これまで団体旅行に依存していた観光市場は、いまや個人旅行主導の時代へと大きくシフトしています。
この変化は、観光事業者にとって新たなビジネスチャンスでもあります。
旅行者が自ら情報を収集し、行き先や体験を選ぶ“自分で見つける旅”をサポートすることが、観光産業における新しい価値の創出につながります。
そのためには、地域の魅力が旅行者に自然に発見される仕組みを整えることが不可欠です。SNSや口コミを活用した情報発信、体験型コンテンツの充実、外国語対応など、多角的な施策がFIT旅行者の関心を引き、地域への誘客につながります。
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