「香港人観光客はどう集客すればいいのか分からない」「台湾や中国とどう違うのか」とお悩みのご担当者様は少なくありません。
香港は人口約750万人という小さな都市でありながら、日本のインバウンド市場において特別な存在感を持っています。
リピーター率の高さ、1人あたりの消費額、日本への愛着、いずれをとっても他の市場と一線を画す市場です。
本記事では、2025年の最新データをもとに訪日香港人の動向を整理しながら、香港人が日本の旅行情報をどのように集め、どのようなSNSを利用しているかを詳しく解説いたします。
飲食店・ホテル・宿泊施設・百貨店・地方自治体のご担当者様に、今すぐ役立てていただける内容をお届けします。
1.訪日香港人の最新動向|2025年の市場を数字で見る
訪日客数は251万人、1人あたり消費額はトップクラス
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2025年の訪日香港人数は251万7,300人でした。
前年(268万人)と比較すると6.2%減となっており、これは「7月に日本で大災害が起きる」という根拠のない噂がSNSを通じて香港国内に広まったことや、中国政府による訪日自粛要請の影響、航空便の減便などが重なったことが主な要因と見られています。
ただし、12月には7か月ぶりにプラスに転じ、単月として過去最高となる29万1,100人を記録しており、市場のポテンシャル自体は揺らいでいません。
消費額については、2025年の訪日香港人の旅行消費額は5,614億円でした。
一時的な落ち込みはあるものの、1人1泊あたりの消費単価は3万6,298円と全市場でトップクラスに位置しており、1人ひとりの旅行者が生み出す経済的な価値は非常に大きい市場です。
特に飲食に対する消費意欲が顕著で、1泊あたりの飲食費は8,730円と、こちらも全市場で最も高い水準となっています。
香港人にとって日本旅行は「日常」のこと

香港人にとって日本は、距離的・心理的に最も身近な海外旅行先のひとつです。
訪日香港人のリピーター率は9割以上に上り、5回以上の訪日経験者が全体の66.8%、10回以上の経験者でさえ38.4%に達します。
初めて日本を訪れる香港人は全体のわずか9.4%程度であり、大多数がすでに日本を知り尽くした旅行上級者です。
旅行形態は個人手配が9割超と圧倒的で、さらに近年はレンタカー利用率が19.6%と全市場平均の2倍以上に達しており、自分のペースで日本全国を旅するスタイルが定着しています。
2.香港人の訪日に対する価値観と旅行スタイル
①「せっかちで合理的」な旅行者
香港は世界有数の国際金融都市であり、そこに暮らす人々はスピードと効率を重んじる傾向があります。訪日の際も、限られた滞在時間の中で多くのスポットを効率よく回りたいという意識が強く、移動手段の利便性や、スムーズに予約・決済できる環境を高く評価します。
こうした特性から、事前予約が簡単でキャッシュレス決済に対応していること、多言語対応のメニューや案内があることが、香港人観光客の満足度に直結します。
②グルメへの強いこだわり
香港は世界でも屈指の食文化を持つ都市で知られており、香港人は美食家が多いとされています。
日本食の繊細さや多様性は香港人の食への感性と非常に相性がよく、寿司・和牛・海鮮・ラーメン・和菓子といった日本食が訪日の大きな動機となっています。
食べ歩きや、みんなでシェアしながら多くの料理を楽しむスタイルを好む方も多く、食べ放題・バイキング形式の飲食店にも好意的です。
飲食業の方にとって、香港市場は特に親和性の高いターゲットといえるでしょう。
③定番より「穴場・地方」を求めるリピーター
リピーターが多いため、東京・大阪・京都といった定番の観光地はすでに何度も訪れている方がほとんどです。それゆえ、まだ行ったことのない地方・穴場スポットへの関心が年々高まっています。北海道(特に雪・スキー・温泉)をはじめ、鹿児島・岐阜・石川・長野・秋田・青森など、各地方への訪問が増えています。
亜熱帯気候の香港では四季の変化がほとんどないため、日本の雪景色・紅葉・桜に特別な魅力を感じる方が多く、季節に合わせたプロモーションが非常に有効です。
④買い物への旺盛な消費意欲
2025年の訪日香港人の1人あたり買い物代は6万8,917円で、シンガポール・中国に次ぎ全市場3位の水準です。
日本の高品質な商品への信頼は厚く、日本ブランドのアパレル・化粧品・家電製品・菓子類・医薬品などが人気です。
価格よりも品質を重視する消費傾向が強く、納得できる商品・サービスには惜しみなく支出する姿勢が見られます。
⑤「香港人を中国人として扱わない」配慮が重要
インバウンド対策における重要なポイントとして、香港人と中国本土の人を同じカテゴリで扱わないことが挙げられます。
香港は独自の文化・価値観・言語(広東語)を持っており、中国本土とは別のアイデンティティを持つ方が多くいます。
プロモーション素材や接客において、この点を意識した配慮が信頼感につながります。
3.香港人が使うSNSと情報収集の実態

香港のインターネット普及率は96.0%、SNS利用者はおよそ615万人に達しており、1人あたり月平均6.6種類のSNSを使い分けているとされています。
1日あたりのSNS平均利用時間は1時間51分で、訪日前の情報収集においてもSNSは欠かせない手段です。
観光庁の「インバウンド消費動向調査」では、訪日香港人が旅行前に役立てた情報源として動画サイトが1位に挙げられており、SNSと動画を組み合わせた情報収集が主流となっています。
以下、香港で特に利用率の高いプラットフォームを解説いたします。
YouTube|旅行の意思決定に直結する最重要ツール

観光庁の調査で「訪日前に最も役立った情報源」の1位に挙げられているのが、動画サイトです。
テキストや写真では伝えきれない「旅先の空気感」「料理の質感」「宿の雰囲気」を動画で直感的に伝えられる点が、旅行者の意思決定に強く働きます。
「行く価値があるかどうか」を判断する場として機能しており、香港在住のYouTuber(KOL)とのタイアップ動画は特に高い訴求力が期待できます。
Instagram|若年層の旅行情報収集の中心地
Instagramは香港の若年層を中心に旅行情報の収集・発信に活発に使われています。
写真・動画による視覚的なコンテンツとの相性がよく、飲食店・観光スポット・ホテルの「映え」投稿がフォロワーの旅行意欲を刺激します。
JNTOの香港向け公式Instagramアカウントでも、桜・紅葉・地方観光地の写真投稿やクイズ形式のストーリーが高いエンゲージメントを得ており、視覚に訴える情報発信の有効性が確認されています。
Facebook|40代以上への情報発信に有効
Facebookは40代以上の世代を中心に依然として利用率が高く、香港人向けの旅行情報サイト「Like Japan」のFacebookフォロワーは93万人、「Umagazine」のトラベル版は100万人に達するなど、年齢層の高い訪日客にアプローチする際に有効なチャネルです。
WhatsApp|コミュニケーションの基盤
WhatsAppは香港で利用率74.7%のメッセンジャーアプリで、日本のLINEに相当する役割を果たしています。
旅行者との直接のやり取りや、来店後のフォローアップなどに活用できる可能性があります。
小紅書(RED)|若い世代に浸透しつつある新興プラットフォーム
中国発のSNS「小紅書(RED)」は、香港でも若年層を中心に急速に広がっています。
もともとは美容・ライフスタイル情報の共有ツールとして人気を集めたプラットフォームですが、近年は日本旅行の情報収集手段としての活用も進んでいます。
繁体字中国語でのコンテンツ発信を検討する場合、将来的に視野に入れておきたいチャネルのひとつです。
口コミ・旅行情報サイトも重要な情報源
SNSに加えて、香港独自の飲食情報サイト「OpenRice(オープンライス)」が近年日本の飲食店情報を掲載するようになっており、実際に来店した香港人旅行者のレビューが参考にされています。
また、Googleマップの口コミも(中国本土と異なりGoogleが利用可能なため)重要な情報源です。
訪日香港人に来店後の口コミ投稿をお願いすることが、次の集客につながります。
4.香港市場向けインバウンド対策のポイント
以上を踏まえ、香港人観光客の集客において特に有効なアプローチをまとめます。
YouTubeを活用した動画コンテンツの発信
店舗・施設・体験の「リアルな雰囲気」を伝える動画は、香港人の旅行意思決定に最も大きく影響します。
香港人YouTuber(KOL)とのコラボレーションも高い集客効果が期待できます。
Instagramでの視覚的コンテンツ発信
広東語または繁体字中国語でのキャプション付き投稿が効果的です。
グルメ・温泉・四季・地方の魅力をビジュアルで訴求することが集客の鍵になります。
リピーター向けの「まだ知らない日本」コンテンツ
定番のスポットより「穴場」「ご当地体験」「地方ならではのグルメ」を前面に出したコンテンツが刺さりやすい傾向があります。
飲食の質と体験価値を丁寧に伝える
香港人の飲食への消費意欲は全市場トップクラスです。
料理の質・雰囲気・こだわりをしっかりと発信することで、旅行目的として選ばれやすくなります
繁体字対応と広東語への配慮
簡体字ではなく繁体字での表記、できれば広東語でのコミュニケーションが、香港人旅行者の信頼と親近感を高めます。
Googleマップと口コミの整備
香港ではGoogleが利用でき、口コミが旅行先選びに直結します。
Googleビジネスプロフィールの多言語対応と、口コミの積み上げが重要です。
香港人と中国本土客を区別したアプローチ
プロモーション素材・SNS運用・接客のいずれにおいても、香港独自の文化・言語・価値観を意識した対応が信頼関係の構築につながります
5.まとめ|香港市場は「量より質」の高付加価値市場
訪日香港人は、訪問客数でこそ台湾・中国・韓国に及びませんが、リピーター率・1人あたりの消費水準・飲食への消費意欲のいずれも全市場トップクラスという、際立った特徴を持つ市場です。
特に飲食業・ホテル・宿泊施設・地方観光を手掛ける事業者にとって、香港市場は非常に相性のよいターゲットです。
YouTubeとInstagramを活用した情報発信と、香港人インフルエンサーを起用したコンテンツマーケティングを組み合わせることで、一時的な訪問客ではなく、何度もリピートしてくれる常連旅行者を育てることが可能です。
2025年の数字は一時的な要因による落ち込みであり、12月の単月最高記録が示すように市場のポテンシャルは変わっていません。
今こそ香港市場へのアプローチを強化するタイミングといえるでしょう。
また、当社では企業様の訪日外国人向けプロモーションをサポートするサービスを展開しており、外国人インフルエンサーが店舗へ来店し、SNSにその投稿してもらうことでPRをすることや、小紅書(RED)の運用代行を行い、日本で利用されているようなSNSへのアクセスが制限されている中国本土に向けてPRをすることができます。
詳しくは弊社HPをご覧ください。
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