近年、訪日外国人による日本食のSNS投稿は、単なる「グルメ紹介」を超え、日本旅行の動機そのものを形成する重要な要素となっています。
寿司やラーメンといった定番メニューに加え、和菓子やコンビニスイーツ、地方ならではの食文化までが、InstagramやTikTok、RED(小紅書)などを通じて国境を越えて拡散されています。
本コラムでは、日本の食文化がなぜこれほどまでにSNSと相性が良いのか、そして寿司・ラーメン・スイーツが国・地域ごとにどのように受け取られているのかを、SNS投稿の傾向を軸に読み解いていきます。
1.なぜ日本の食文化はSNSで拡散されやすいのか
①視覚的完成度の高さと「分かりやすさ」
日本食は、盛り付けや色合い、器との調和など、視覚的な完成度が高い点が大きな特徴です。
寿司の整然とした美しさ、ラーメンの湯気やスープの艶、スイーツの繊細なデザインは、写真や短尺動画との相性が非常に良く、言語に頼らず「美味しそう」が直感的に伝わります。これは、多言語環境のSNSにおいて、日本食が自然と拡散されやすい大きな要因の一つです。
また、日本の伝統的な食文化である和食(Washoku)が2013年12月4日にユネスコの無形文化遺産に登録されており、「自然を尊ぶ精神」や「季節の表現」といった文化的価値が世界的にも認められています。
こうした文化的背景も、日本食がSNSで発信・受容される際の魅力/信頼性を高める役割を果たしています。
②「日常×非日常」が同時に存在する
高級寿司店から、街角のラーメン店、コンビニで買えるスイーツまで、日本の食文化は価格帯・シーンの幅が極めて広く、旅行者にとって「特別感」と「手軽さ」が共存しています。
この振れ幅の大きさが、「次はこれを試したい」「自分でも体験できそう」という再現性を生み、投稿を見た人の行動意欲を刺激します。
③ストーリー化しやすい文化的背景
日本食には、季節感、職人技、地域性といったストーリーが自然に紐づいています。
「なぜこの食べ方なのか」「この地域ならではの食材は何か」といった背景情報は、キャプションや動画内解説として加えやすく、単なる料理紹介を“体験談”へと昇華させます。
これがSNS上での保存・シェアを後押ししています。
④実際に食文化を体験できる
最近では都市部や観光地のみならず日本の各地で体験型サービスが充実しており、茶道体験をはじめとし、寿司握り体験、和菓子作り体験など、日本ならではの文化を気軽に楽しむことができます。
観光地を巡るだけでなく、実際にその土地の文化に触れることができる「体験型観光」のニーズが高まっており、SNS上でもその様子が拡散されています。
2.国・地域別に見る人気ジャンルの違い
①寿司:欧米圏で根強い「日本らしさ」の象徴
欧米圏では、寿司は今なお「日本文化の象徴」として高い人気を誇ります。
特に、カウンター越しの職人の所作や、シンプルな構成美は、“本物の日本体験”として評価されやすい傾向があります。SNSでは、高級店での体験だけでなく、回転寿司や地方の寿司文化など、「想像以上に多様だった日本の寿司」という切り口の投稿も多く見られます。
②ラーメン:アジア圏を中心に“探訪型コンテンツ”として拡散
アジア圏では、ラーメンが非常に高い関心を集めています。
その背景には、味のバリエーションの豊富さと、店舗ごとの個性があります。SNS上では、「有名店巡り」「行列体験」「地域ごとの違い」といった探訪型の投稿が多く、ラーメンを軸に街歩きや地方旅行へと関心が広がっていく傾向が見られます。
③スイーツ:Z世代を中心に“映え”と体験価値で拡散
スイーツは、国・地域を問わず若年層を中心に支持されているジャンルです。
和菓子の繊細さや、季節限定メニュー、キャラクター性のある見た目は、短尺動画との相性が良く、特にZ世代の投稿で存在感を放っています。「かわいい」「日本らしい」「期間限定」といった要素が重なり、旅行中の“つい投稿したくなる体験”として消費されています。
3.SNS拡散が生む、日本食の新しい価値
SNSを通じた日本食の拡散は、単に飲食店への集客にとどまりません。投稿をきっかけに地域名が認知され、結果として地方への関心が高まるケースも少なくありません。
また、「この店に行くために日本へ行きたい」という目的地化が起こる点も、従来の観光プロモーションとは異なる特徴です。
重要なのは、情報を“発信する側”が日本人である必要はないという点です。実際には、訪日外国人自身の視点で語られる体験談こそが、次の旅行者にとって最も信頼できる情報として機能しています。
おわりに
日本の食文化がSNSで拡散される背景には、見た目の美しさや味だけでなく、「体験として語りたくなる要素」が数多く存在しています。
寿司・ラーメン・スイーツといったジャンルは、国や世代によって受け取られ方が異なり、その違いを理解することが、これからのインバウンド施策や飲食店の情報発信において重要な鍵となります。
日本食は、もはや“食べるもの”ではなく、“共有され、語られる文化”へ。
その広がりをどう設計するかが、次の観光トレンドを左右していくと言えるでしょう。
Buzztravelersについて
Buzztravelersでは外国人インフルエンサーと企業を繋ぐサービスを提供しており、日本旅行を考えている外国人へ集中的にPRすることができます。また小紅書(RED)の運用代行を行い、日本で利用されているようなSNSへのアクセスが制限されている中国本土に向けてPRをすることも可能です。
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