近年、日本のインバウンド観光は回復基調にあり、都市部では外国人旅行者の姿を日常的に見かけるようになりました。
一方で、その人流の多くは東京・大阪・京都といったいわゆるゴールデンルートに集中しており、
地方への送客は依然として大きな課題として残っています。
「地方は魅力が弱いから選ばれない」
そう捉えられることも少なくありませんが、果たして本当にそうなのでしょうか。
本コラムでは、地方にインバウンド観光客が来づらい理由を整理しながら、
その背景にある本質的な課題について考えていきます。
1.情報が「存在していない」のではなく「見つからない」
多くの地方には、豊かな自然、地域ならではの食文化、歴史や伝統、そして都市部では味わえない体験価値が数多く存在しています。
実際に訪れた外国人からは「想像以上によかった」「もっと早く知りたかった」という声が上がることも珍しくありません。
しかし問題は、その魅力が海外の旅行者にとって「発見可能な状態」にあるかどうかです。
海外の旅行者は、日本語の公式サイトや国内向けパンフレットを起点に旅先を探しているわけではありません。
多くの場合、SNS、動画プラットフォーム、口コミ投稿といったデジタル上の情報を通じて、行き先の候補を絞り込んでいきます。
地方の観光情報は「存在している」にもかかわらず、
- どの言語で
- どの媒体で
- どのような切り口で
発信されているのかが最適化されていないケースが多く、結果として海外旅行者の情報接触動線上に現れていないのです。
2.「行きづらい」という心理的ハードルの正体
地方観光が敬遠される理由として、交通アクセスの問題が挙げられることはよくあります。しかし実際には、物理的な距離以上に大きな影響を与えているのが「心理的な不安」です。
- 乗り換えが複雑そう
- 英語が通じなさそう
- 現地での移動手段が分からない
- 食事や支払い方法に困りそう
- トラブル時にどう対応すればいいのか想像できない
こうした不安は、十分な情報があれば軽減されるものですが、情報が不足しているほど増幅されていきます。
その結果、旅行先として「失敗しにくい」「分かりやすい」都市部が選ばれやすくなるのです。
地方が選ばれにくいのは、決して不便だからではなく、「不安が解消されていないから」と言い換えることができます。

観光庁の資料を見てみると、大多数の外国人観光客が旅行前に、英語で動画サイトやSNSを利用し計画を立てていることが分かります。
このことからインバウンド集客を考えている企業では、多言語でのSNSの発信が大きなアドバンテージであり、英語での発信は必須ということが分かります。
3.旅の全体像が思い描けないという課題
東京や大阪、京都には、滞在日数ごとのモデルプランや定番ルートが数多く存在しています。
「3日あればこれができる」「初めてならここは外せない」といった共通認識が、すでに国内外で共有されているのです。
一方、地方の場合は
- 「何泊すればいいのか」
- 「1日をどう過ごせるのか」
- 「周辺エリアとどう組み合わせるのか」
といった旅の全体像が見えにくいケースが少なくありません。
これは、地方の魅力が不足しているのではなく、点在する資源が一つの“物語”として編集されていないことが大きな要因です。
海外旅行者は「観光地の一覧」ではなく、「自分が体験するストーリー」を求めています。その視点での整理や可視化が不足していると、候補地として選ばれにくくなってしまいます。
4.日本人目線に偏った情報発信
地方観光の情報発信は、行政や観光協会が中心となるケースが多く、どうしても日本人向け、あるいは国内旅行者向けの表現になりがちです。
丁寧で正確な説明ではあるものの、海外旅行者にとっては「自分ごと」として捉えにくい内容になってしまうこともあります。
海外旅行者が知りたいのは、施設の正式名称や歴史的背景だけではありません。
- 「実際に行ったらどんな気分になるのか」
- 「どんな体験ができて、どんな思い出が残るのか」
といった、感覚的・体験的な情報です。
外国人自身の視点で語られた体験談やSNS投稿が少ないことも、地方の魅力が伝わりきらない要因の一つと言えるでしょう。
近年の訪日外国人の特徴として、ただ観光地を巡るよりも
その土地ならではの文化や食事を感じられる体験型の観光が求められており、地方では都会以上に自然な日本の文化を感じられることが強みです。
以下記事では地方観光についての需要や、日本食が外国人に人気の理由を詳しく解説してます。
5.「知られていない」場所は、選択肢に入らない
多くの海外旅行者にとって、日本旅行は特別な体験です。
限られた日数と予算の中で、確実に満足できそうな場所を選ぶのは自然な行動と言えます。その結果、「よく見かける場所」「他の人も行っている場所」が優先されやすくなります。
つまり、地方が選ばれにくい理由の一つは、比較検討の土俵にすら上がっていないことにあります。
知られていない場所は、良い悪い以前に「存在しない」のと同じ扱いになってしまうのです。
6.訪日外国人に情報を届けるには
ここまでにご紹介した「地方に観光客が来づらい理由」を踏まえ、実際訪日外国人に見つけてもらうにはどうすれば良いのか、いくつか例を紹介します。
①SNS、動画を活用して海外へ情報発信
多くの訪日旅行客は、旅行前にInstagram、TikTok、YouTubeなどのSNSから情報収集をし、旅行計画を立てています。
SNSの情報発信では、画像や動画により視覚的に魅力を伝えることができ、ほとんどのSNSでは文章も利用者に合わせた言語へと簡単に翻訳することができます。
そのため、最も旅行者が見る可能性が高く、費用も抑えながらPRのできるSNSで発信をすることは必須といえます。
また、外国人インフルエンサーが投稿でPRをすることで、それを見た外国人旅行者にとって信頼度の高い情報として受け入れてもらうことができます。
インフルエンサーの投稿は企業が出す広告とは違い、一般的な口コミに近い感覚で見られており、実際の体験をもとにした情報として信頼されています。
そのため、旅行先の雰囲気や体験の魅力が観光客目線でリアルに伝わりやすく、認知拡大に繋がる効果が期待できます。
弊社では外国人インフルエンサーと企業様をつなぐマッチングプラットフォームをご提供しています。
下記URLからぜひご覧ください。
②体験型コンテンツの開発
近年の訪日旅行は、ただ観光地を巡るだけではなく体験をする旅行へと変化しています。
地方ならではの伝統文化体験や地元食材を使用した料理体験、温泉や自然アクティビティなど、
都市部ではできない地方ならではの体験を打ち出すことが重要となってきます。
また、思い出の写真を撮りSNSへアップロードしたいと考える訪日旅行客も非常に多いため、
店内や周辺環境を整えるとより魅力的でしょう。
③アクセス情報を分かりやすくする
地方の観光地では、行き方が分からないという理由で敬遠されることもあります。
対策として、HPや店舗SNSに電車やバスでの所要時間など、アクセスの詳細を載せておくことに加え、Googleマップでのルート整備が重要となってきます。
Googleマップでは世界のほぼ全ての言語に対応しているため、店舗情報を登録しておき、発見してもらえるようHPなどにリンクを添付しておくことが大切です。
④多言語対応と予約環境の整備
日本語が伝わらない訪日外国人にとって、「言葉が通じない」「予約ができない」という不安は来店を避ける原因の1つとなります。
そのため、英語メニューの作成や多言語対応、スマホで完結できるオンライン予約、キャッシュレス決済などの完備をすることで来店率が大きく変わってきます。
おわりに:地方は“不利”なのではなく“未翻訳”なだけ
地方にインバウンド観光客が来づらい理由は、決して魅力不足ではありません。
情報が海外に届いていないこと、不安を解消する材料が不足していること、体験として翻訳・編集されていないこと。
これらが重なり、結果として選ばれにくい状況を生んでいます。
裏を返せば、伝え方と接点を変えるだけで、地方は十分に「選ばれる観光地」になり得ます。
これからのインバウンド施策では、「何があるか」だけでなく、「どう見せ、誰の言葉で語られるか」が、これまで以上に重要になっていくでしょう。
バズトラベラーズでは企業と外国人インフルエンサーを繋ぐサービスを行っており、
サービス業に限らず、地方自治体からの依頼も多くあります。
自身で発信するのは難しい、発信の仕方が分からない、という方でも
SNSでのPRのプロであるインフルエンサーを活用することで
外国人向けに影響力のある発信をすることが可能です。
また、訪日客数の20%を占める中国では日本で利用されているInstagramやYouTubeの利用が規制されており、せっかく発信した情報も届きません。
しかし、弊社では中国人向けのSNS、小紅書(RED)の運用代行も行っており、
利用者の多くが富裕層や若年層であることから、訪日旅行に関心のある層に
効率良くアプローチすることが可能です。
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